こんにちは、ピアノ講師の海野真理です。
今日は「ピアノソナタって何??」というお話です。
小さい頃からピアノを習っていると「ピアノソナタ」という響きに
憧れをもって
「いつか私もこんなのが弾けるようになるのかな~。」
と思ったものでした。
と言うのも、発表会のプログラムを見ても、後半になると、
年上のお姉さま方の曲目に「ピアノソナタ第○番○長調作品○○」
なんてのが並んでいましたから。
カッコいいー!!と憧れたものです。
モーツァルト、ハイドン、ベートーベン、シューマン、ショパン、ブラームス、
リスト、スクリャービン、プロコフィエフ・・・。
多くの作曲家たちが素晴らしいピアノソナタを残しています。
では、ソナタっていったい何???
冬のソナタしか知らないんだけど、という方もいるかもしれません(笑)
ピアノソナタって何だろう?ソナタについて学んでみよう!
目次
ソナタの意味について
♪ソナタとは
「いくつかの楽章からなるソロ、または小編成のアンサンブルのため
書かれた楽曲。ソナタ形式の楽章を1つあるいは数個組み込んでいる。」
・・・う~~ん、こうして文章にすると難しいですね。
では「ソナタ形式」について調べてみましょう。
♪ソナタ形式とは
「古典派時代から20世紀に至る音楽形式において最も重要な原理。
全体は3つの主要部分に分かれる。構造の第1部分は提示部、
第2部分は展開部、第3部分は再現部と呼ばれる。」
・・・・・さらに難しくなりました(笑)
「月光」でピアノソナタを学ぼう!
文章にすると何のことやら?ですが、実際に曲を聴きながらお勉強すると
とても分かりやすいのです。
例として「ピアノソナタといえばこれ!」と思う方も多い、
ベートーベンのピアノソナタ第14番嬰ハ短調作品27-2「月光」を
挙げて解説しましょう。
ベートーベン/「月光」
『幻想曲風ソナタ』というタイトルを持つこの曲ですが、一般的に
「月光ソナタ」の愛称で知られています。
この曲が作曲されたずっと後、詩人レルシュタープが
「レマン湖の水面に揺れ動く月の光のようだ。」
と語ったと言われ、そこから「月光」と呼ばれるようになりました。
もっとも有名な第1楽章。
三部形式になっていて、♯ソ♯ドミ ♯ソ♯ドミ ♯ソ♯ドミ・・・
という分散和音のなかに「ポーーーン…ポポーーーーーン。」という
静かな主題が表れます。
まさに目の前にレマン湖が浮かんでくるような名曲です。
第2楽章(三部形式)は、第1楽章とはガラリと変わった軽やかな曲です。
スケルツォ的な楽曲。
第3楽章は、出ました!ソナタ形式です。
全曲の頂点を築く楽章で、まさにソナタ形式。
一楽章ででてきた♯ソ♯ドミ♯ソ♯ドミ・・・が上に上に上がっていく
激しい第1主題。
美しく旋律を聴かせる第2主題。
その後、八分音符の連打の形で示される緊迫感に富む第3主題。
コーダ、と続き最後は嬰ハ単調の分散和音のユニゾンで力強く曲を
閉じていきます。
第3楽章はまさにソナタ形式、曲の作りを意識してお聴きくださいね。
ソナタ形式の流れとしては、
主題(第1主題)→展開(第2主題)→再現→終結(コーダ)
という流れになります。
時代や曲の規模によって序章がついたり、必ずしもこの通りという
こともないのですが、大まかには、主題があり、それが展開され、
もう一度主題が登場して、そのままコーダへ向かっていく、という
流れが主流です。
とてもアバウトですし、ソナタ=ソナタ形式とも言わなかったり。
馴染みの曲でソナタ形式を感じてみよう
解説をし始めると止まらなくなるので、かいつまんでお話しました。
ただ、こうして曲の構成を意識して聴いてみると、これまでとは
違った楽しみ方も出てくると思いますよ!
例えば、「あ、ここは第1主題が展開されている!」とか
「コッソリここで第1主題が響いている!」とか。
実は、先に例として挙げたベートーベンのピアノソナタ「月光」は
私の音大入試の試験曲でした。
これだけはいつでも完全に暗譜で弾けます。
体にしみついていますから!
ソナタというものを今まで聞かれたことのない方、
まずは馴染みの曲でソナタ形式を感じてみるのもいいのでは?
ソナタをお勉強するのに「月光」はお勧めの曲です。
※参考文献:ニューグローヴ世界音楽大辞典 ピアノ曲鑑賞辞典
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