海野先生のピアノ講座|曲のイメージって、自由に決められるの?

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50代女性からのご質問
Q. 曲のイメージは自由に作っても良いのでしょうか?
  私が「のどかな昼下がり」とイメージした曲が、
  実は「夕暮れ時」の曲だと知ってショックでした。
  これは作曲者の意図に合わせるべきなのでしょうか?

 

A.

こんにちは。ご質問ありがとうございます。

今回のご質問、とても共感するところがあり、思わず
にっこりしてしまいました!
曲のイメージ、これは人によってさまざまですよね。

「のどかな昼下がり」と「夕暮れ時」、
確かにどちらもまったりした感じがします。
 
音楽に限らず、人はそれぞれ。
個々の性格、考え方、好み、顔立ち、何一つ同じものはありません。

それと同じように、音楽を聴いて感じるもの、イメージするものも
同じとは限りません。
 
それは作り手と聴き手にも言えることです。

作曲者はこんなイメージでも、とらえる側では独自のものに変化します。
作曲者と演奏者が同じでない限り、それは必ず起こりうることです。

例えば、ベートーベンのピアノソナタ「月光」。
 
この曲を聴けば、誰でも題名の通り、しんしんと輝く
月の光を思い浮かべるでしょう。
 
ですがこの曲はベートーベンが月光いう表題をつけたわけではなく、
「幻想曲風ソナタ」というタイトルを持っています。

詩人レルシュタープが「レマン湖の水面に揺れ動く月の光のようだ」
と語ったことから「月光」の愛称で知られていますが、
これは作曲されてからずっと後の話です。

作曲者がその曲を作る時に感銘をうけた絵や詩など、はっきり
残されているものは弾く手も想像しやすく、イメージも作曲者のものと
近いものを持てるでしょう。

確かに突拍子もないくらいかけ離れたイメージではまずいですが、
だからといって、必ずしも同じイメージで、
同じ音楽を目指すことはないと思います。

それではただのコピーになってしまいます。

音楽は違うからおもしろい。
その人の個性があるから素敵なのだと思います。

そしてイメージできること、これが何より大切です!

のどかな昼下がりをイメージされたのであれば、夕暮れ時は
その後に表れること、関連性は十分にありますし、最初のイメージから
さらにそこまで発展させていかれては?

イメージの湧かないピアノでは何の楽しみの魅力もありません。

どうぞ五感をフルに使って、
自分のイメージを大切にピアノを演奏してください♪


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