海野先生のピアノ講座|息子が楽譜を読んでくれません・・・

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30代おっくんのママからのご質問
Q.息子がなかなか楽譜を読めるようになりません。
  今は簡単な曲なので本人は覚えて弾いてしまっており、楽譜を
  読もうという気持ちも余り無いようです。
  
  どうすれば楽譜に興味を持ってドレミを読めるように なりますか?

 

A.

こんにちは。ご質問ありがとうございます。
よくお気持ちはわかります!

私も初見のレッスンで、生徒さんが本当に楽譜を見ないことに
驚いたことがあります。

家で練習してきた曲なら「覚えちゃったのね」と思うのですが、
今日、たった何秒か前にはじめて弾いた曲なのに!

生徒さんは楽譜よりも、自分の耳を頼っているのです。

最初の一回は、そうは言っても仕方ないので(!?)楽譜をみます。

でも一度音が鳴ってしまえば、あとは鍵盤でさっきの音を探すのです。

これはある意味すごい能力で、いわゆる「耳がいい」
「耳コピができる」ということなのですが、私はこの練習では
いつか限界がくるのでは、と思っています。

たとえばベートーベンのピアノソナタなど、完全に聴いただけて
音をとれますか?

そう思うとピアニストの辻井さんは何てすごいんだろう!
と思ってしまいます。

楽譜に興味を持つのは、正直もう少し先、音楽自体に
興味がわかないと難しいかもしれません。

楽譜から多くの情報を引き出す、その作業が楽しいと思えないと、
死ぬほど楽譜をみて研究するということまでいかないからです。

それでも3~4歳というとても低い年齢からピアノを始めた
生徒さんでも、4分音符は「たん」二分音符は「たーあー」と
暗号?のような音譜に興味を持ってくれます。

手を叩いたりすることで、リズムが出来上がるのが楽しいと
思ってくれているのではないでしょうか。

それと同じように、ただの紙に並んでいる黒い丸や白い丸が、
音の高い低いになって、タンタタタン、タータタン、などの
リズムになり、メロディーができ、伴奏があり、
あ、こんなところに強くというフォルテが書いてある、とか、
一つ一つがそろって音楽になる楽しさが分かると、
自分で見つけてみようと思ってくれると思います。

「ちがうでしょ!ここはミ。あ~そこは二つのばして。
なんで楽譜みないの!」
となってくると、お子さんの眉間にしわが・・・。

なんてめんどくさい、と思ってしまうでしょう。

といいながら私もレッスンでつい出てしまう言葉ではありますが。

あらためて楽譜の端っこ、一番最初から見てください。
まず何が書いてありますか?

ト音記号があり調合、♯や♭がいつくかついて、
次は○分の○拍子、その上にはモデラートやアレグロ、
速度記号があります。

マエスト─ソやカンタービレといった表現の記号の時もあります。

そしてはじめて最初の音です。

ここから終始線までなが~い音楽の旅です。
よく地図をみて、迷わないように!

こんなアプローチも楽しいかもしれませんね。

小さい年齢なら、すぐに楽譜に目がいくようになります。
鍵盤をみないと不安で弾けない気持ちは、大人の方が
強いかもしれません。

楽しいこと、それが一番の興味です。
楽しんで頑張ってくださいね!


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