30代男性からのご質問
Q.よく先生のお話に脱力というのが出てきますが、
力を抜いちゃうとピアノが弾けないと思うんです。
どういうことでしょうか?
A.
こんにちは、ご質問ありがとうございます。
脱力、いつも私は「これが大事!でもとっても難しいのです。」
というお話をしますね。
でも「脱力=フニャフニャ」ではありません。
必要な力、圧力はもちろん残しつつ、いらない力、
力んでいる部分をしっかり抜くのです。
長年ピアノを弾いてきて、正しいタッチは本当にこれに限る!
と思うのですが、確かに力を抜く程度というか、
度合というか、これはどうしても言葉でお伝えするのが難しい所です。
30代男性さんのように「本当に抜いちゃうと弾けないじゃん」
と思われて当たり前だと思います。
私たちは日常、ずっとどこかに力を入れて生活していると思います。
実際に重いものを持つ、という力や、精神的プレッシャーなどから
肩にクッと入ってしまう力。
本当に脱力しているのは寝ているときだけなのかもしれません。
(寝ながらも、歯ぎしりなどで力が入っていることも…。)
意識的に抜こうとしても抜けない、それどころかかえって
緊張してカチカチになってしまう。
なら逆に考えてみるのはどうでしょう?
もともと力の入っていない、楽な状態から、コツン、
と重みをかけて鍵盤を叩いてみる。
叩く、とか弾くとかではなく、落とす、という感じに
近いかもしれません。
力の引き算ではなく、もともとないところに足し算で考えてみる、
そうすれば抜くことで弾けないのでは?という考えも少し見方が
変わってくるかもしれません。
脱力は本当に難しいので、あれこれ考えたり試したりすると思います。
押してもだめなら引いてみな、の考え!?で決して
力を抜くからフニャフニャということではないと思いながら、
しっかり芯のある、そして脱力できているタッチを実感して
もらえたらいなと思います。
この脱力、という技を取得されたら、本当にピアノが楽に、
良く響く音で弾けるようになります。
ぜひぜひ!頑張ってくださいね。
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