60代男性からのご質問
Q.全く同じ音でも、1回目と2回目で指使いが違うことがあります。
なぜ同じじゃだめなんでしょうか?
A.
こんにちは。ご質問ありがとうございます。
今日のご質問を拝見して、まず「何て鋭いご質問!」
と感激いたしました。
そこに気付かれることがとても素晴らしいです。
指使いはピアノを弾くにあたってとても大切で、
とても強い味方です。
ただ、「私ならこの指を使うのになぜわざわざこの指に
変えなきゃいけないの?」と思うこと、多々あります。
指使いは、
次にくる音の都合など、明らかにこのままでは弾けない時に
指くくりや指またぎをするため。
強弱をつけたいときに、この指のほうが強く出しやすい、
弱く弾きやすいため。
といった理由があります。
1回目と2回目で指使いが違うのは、おそらく後者のほう、
音楽の表現上変えたほうがよかった場合ではないかと思います。
例えば、楽曲にはA-B-Aという作りになっているものが大変多いです。
Aのメロディー、いわゆるテーマ的なメロディーで始まり、
そのあと少し違うメロディーBが出てくる、そして最後はまた
テーマであるAメロディーで締めくくる。
といったパターンです。
この場合、全く同じ楽譜でも、最初に出てくるA部分と、
すべての曲の締めくくりとしてのA部分はやはり表現が
変わってくるのでは、と思います。
最後は柔らかく終わりたい、とかテンポも少しずつ落として
繊細に、とか。
この疑問を解くには、まず指番号通りに弾いてみて、
どんな感じがするか分析?してみてください。
このほうが弾きやすい。
強弱や表現と合っている。
やはり自分にはこっちのほうが弾きやすい。
やりにくい。
などなど。
そしてその思いや条件をふまえて、最終的に自分の指使いを
決定するのも良いと思います。
あとは、明らかにおかしい、というものを見つけたら
それは楽譜出版のミスかもしれません。
時々ありますし、見つけたこともあります。
それに気づくこと、見つけられることも本当に素晴らしいことです。
とてもきちんとお勉強をしている証拠だと思います。
いい演奏ができるのが一番です。
そのために指使い、研究してみてくださいね。
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